インスリノーマが疑われるとき
ガストリノーマが疑われるとき
- 症状
- 消化性潰瘍や逆流性食道炎が治りにくかったり、潰瘍の穿孔(あな)が繰り返される場合。プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬などで治療していた潰瘍が薬の服用をやめるとすぐ再発したり、潰瘍発生が繰り返して起こる場合。
- 診断
- ガストリノーマを疑ってすぐ空腹時血清ガストリン濃度を測って下さい。
- 予後
- 肝転移がなくて、リンパ節転移が少ない場合には治癒できます。
VIPオーマが疑われるとき
- 症状
- 激しい下痢(数リットルにも達する大量の水様性下痢)が突然出現して、通常の下痢止めを増量しても全く効果がない場合や、下痢が続いて血清カリウム濃度が低下している場合。
- 診断
- 血清VIP濃度を測定して下さい。
- 予後
- 肝転移がなければ、切除術で治癒します。
グルカゴノーマが疑われるとき
- 症状
- 下腹部から会陰部、大腿に痛みを伴う紅斑ができて、通常の薬で治癒せず、次々移動する場合。
- 診断
- 空腹時血清グルカゴン濃度を測って下さい。血中アミノ酸値も低下しています。
- 予後
- 肝転移がなければ、切除術で治癒します。
ソマトスタチノーマが疑われるとき
- 症状
- 脂肪便が続く場合や、貧血や体重減少などの場合。また、胆石や糖尿病患者さんの中には、ソマトスタチノーマの患者さんが混じっています。
- 診断
- 空腹時血清ソマトスタチン濃度を測定して高値であれば診断が確定します。
- 予後
- 肝転移や脳転移後に見つかる場合が多いのが現状です。十二指腸や膵臓以外に直腸などにも発生します。
カルチノイド腫瘍が疑われるとき
- 症状
- 皮膚の異常な紅潮が見られる場合には、カルチノイド症候群を来す腫瘍が疑われます。このような症状の発現は肝転移の場合に見られます。他には、下痢や腹痛、喘息のような呼吸音、心不全なども出現します。肝転移をしていない消化管カルチノイドの場合にはこのような症状を引き起こすアミンは肝臓で代謝されるために、症状は発現しないのが普通です。
- 診断
- 24時間尿中5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)の測定が有用です。
- 注意
- 肝転移の場合には、麻酔導入や侵襲的処置を受けている時に、突然カルチノイドクリーゼ(転移巣の壊死などによる瞬間的なホルモンの過剰放出による急性症状)を来して、血圧の急変や頻脈、不整脈、喘息様呼吸などを来す場合があります。
ご監修:京都大学名誉教授、関西電力病院学術顧問 今村正之 先生


